歯磨きの目的は歯垢(プラーク)を擦り落とすことです。歯垢(プラーク)は歯の様々なところに付着しているため、磨き残さないように全ての場所を歯ブラシで磨くことが大切です。
むし歯の原因である歯垢(プラーク)はブラシで擦り落とさなければ落ちません。歯垢(プラーク)を擦り落とすのは歯ブラシの毛先であり、毛先を歯に当てることが重要です。
力加減などによっては、毛先ではなく毛の真ん中部分が歯に当たっていることもあります。また力を入れすぎていると、歯茎を傷つける可能性もあるため、毛先がしっかりと当たって、表面を磨ける程度の力を意識しましょう。
歯垢(プラーク)は時間が経つごとに少しづつ固くなって除去しづらくなります。力でこすり落とすのではなく、しっかりと何度もブラシで表面を擦り、歯垢(プラーク)を落とすようにしましょう。
ただし、歯の表面のエナメル質は摩耗するため、噛み合わせは問題ないですが、エナメル質の薄い歯の側面などは無闇に擦りすぎてはいけません。大体10回から20回ぐらいを目安に磨くと良いと言われています。
また磨き方も、歯ブラシを横向きにして上下に何度も擦るにではなく、歯の側面に円を書くように磨くとエナメル質が摩耗しづらく、歯の表面の歯垢(プラーク)を擦り落とせると言われています。
歯磨きをする際に、歯垢(プラーク)を磨き残しやすい箇所がいくつかあります。
前歯の表側は歯ブラシで磨きやすいところですが、歯の付け根はブラシが当たっていないことが多く、歯垢(プラーク)がよく蓄積します。鏡で見ると歯の付け根に沿って、歯の色とは違う、白濁色のものが確認できます。
前歯の歯の付け根は、歯ブラシを横向き(90度)に当てながら優しく小刻みに何度も動かして磨きましょう。鏡で見ながら、歯垢(プラーク)がなくなるまで丁寧に磨くと良いでしょう。
また歯周病の場合や、なかなか歯垢(プラーク)が取れない場合は、歯ブラシを歯茎と反対側の歯の方向に45度傾けて、斜めの角度から歯茎をより深く磨く方法が推奨されています。
斜め45度までであれば、歯茎をそこまで傷つけることがなく安心です。
前歯の裏側は、歯ブラシを縦に入れて磨きます。その際に、歯ブラシのかかと部分(持ち手の方のブラシの角)を使って、書き出すように磨きましょう。
また、さらに歯ブラシを縦にして前歯の裏側に歯ブラシを入れて、ブラシの表面全体を使って、前歯の裏側全体を優しく擦るように磨きましょう。
奥歯の噛み合わせは一番磨きやすいところですが、食べ物を噛む際に最もよく使い、また歯の表面や歯と歯の境目に凹凸が多く、磨き残しが多く発生しやすいところです。
注意すべきポイントとしては、歯と歯の高さの違いによってブラシが届いていない点や、歯と歯の境目の高さの違いで生まれる微妙な隙間、表面の傾きなどで生まれる凹凸、あとは治療して被せ物をした際などに生まれる新たな隙間などです。
磨き方は普段から噛み合わせを磨いている方法で問題ありませんが、少し角度を変えたり、小刻みに歯ブラシを動かして入念に磨くようにしましょう。
奥歯の歯の付け根も、前歯の歯の付け根と同じように歯垢(プラーク)が溜まりやすい場所です。頬を横に広げるようにすると、奥歯の外側の付け根に歯垢(プラーク)が溜まっているかどうか、確認ができます。
奥歯の場合は、普通に磨く場合は、歯ブラシを横向きにして前後させて磨きます。
付け根を磨く場合は、そこから歯ブラシを上側に45度傾けて、ブラシを斜めから向きに入れるようにして、上から下へ書き出すように磨くことで綺麗に磨くことができます。
力を強く入れずに、優しく何度も磨くようにしましょう。
奥歯の裏側は自然に磨いている部分ですが、歯垢(プラーク)が残りやすいので、注意が必要です。
奥歯の外側の付け根と同じように、歯の表面は横から、歯の根本は斜め45度からブラシを入れるようにして、優しく磨きましょう。
また、歯ブラシ自体を横向きではなく、上から下に斜め45度傾けて磨くことで、届きづらかった部分にもブラシが当たるようになります。
一番奥の歯のさらに奥側は、歯ブラシが届きづらく、知らないうちにむし歯になりやすい場所です。
奥歯の表面を磨くときは歯ブラシを横向きにして磨きますが、奥歯の奥を磨く際は歯ブラシを斜めに傾けて、歯ブラシの頭側のブラシの先端を使い小刻みに動かしながら磨くようにしましょう。
また、歯ブラシのブラシの部分が大きいとスペースが狭くて磨きづらいため、磨きづらいと感じたらブラシが小さい歯ブラシを使うと良いでしょう。
歯と歯の間も歯垢(プラーク)が残りやすい場所です。特に奥歯は側面が広く、また見えづらいため、歯と歯の間に歯垢(プラーク)が残り、側面からむし歯になりやすいです。
歯と歯の間を綺麗に磨くには、歯ブラシのブラシの先が歯と歯の間に留まっている状態をなるべく維持しながら、小刻みに歯ブラシを動かします。歯と歯の隙間にブラシの先が入っている状態で磨くのがポイントです。
また歯と歯の隙間は、デンタルフロスを利用することで、より綺麗に歯垢(プラーク)を取り除くことができます。
上記の磨き方に加えて、歯垢(プラーク)を除去するために知っておきたいポイントがいくつかあります。
まず歯ブラシは毛先が外側に広がっていると、上記の磨き方をしても、歯垢(プラーク)が除去されづらくなります。
歯ブラシを変えるタイミングは1ヶ月に1回程度が望ましいと言われており、定期的にブラシの先端が広がっていないか確認をしましょう。
また、歯ブラシ自体も実は細かい種類に分かれています。主にブラシの部分の大きさや、毛の硬さ、毛の細さで分かれており、同じように磨いても歯垢(プラーク)の除去のしやすさや、除去しやすい場所などが違います。
自分に合った歯ブラシを選ぶことで、同じ磨き方でもより歯を綺麗に磨くことができます。
デンタルフロスは歯と歯の隙間の歯垢(プラーク)を除去するのに最適です。正しいデンタルフロスの使い方を身につけて利用すれば、歯と歯の隙間の歯垢(プラーク)も綺麗に除去できます。
マウスウォッシュは、歯を丁寧に磨いた後に利用することで、より歯垢(プラーク)を除去できたり、歯の表面の抗菌作用を高め、むし歯になりにくい状態を作ることができます。
デンタルフロスとマウスウォッシュは、単体で利用するのではなく、正しい歯磨きを行った後に利用することで、しっかりとその効果が得られるものです。
これらを利用して、さらに歯垢(プラーク)を除去して、歯を綺麗に保つことが可能になります。